違う組織でも、同じことが起きていた
僕はあきたこまちネットの経営者として、また別の組織の管理職としても、複数の立場でチームに関わってきました。
業種も規模も全く違う組織です。それでも、人が育つ場には共通する原則があることに気づきました。今回は、その原則をお伝えします。
原則① 全員に同じことを求めない
人にはそれぞれ、得意な能力と苦手な能力があります。当たり前のことですが、組織運営の中でこれを忘れてしまうことは少なくありません。
「全員が同じレベルでこの作業をできるように」「みんな同じやり方で」——こういった発想は、一見公平に見えますが、実際には得意な人の力を発揮させず、苦手な人を苦しめる結果になりがちです。
人が育つ場では、全員に同じことを求めません。それぞれの得意を活かす場をつくることが、組織としての成果を最大化します。
原則② 標準化・システム化は必須
「全員に同じことを求めない」と聞くと、「バラバラでいいの?」と思うかもしれません。しかし、ここで重要なのが標準化・システム化です。
誰がやっても同じ結果になる業務は、できる限り標準化し、システムやIT導入によって効率化する。これによって、「誰にでもできる業務」と「その人だからこそできる業務」を分けることができます。
標準化された業務は、属人化を防ぎ、チームの誰もが対応できる安心感を生みます。そして空いた時間とエネルギーを、それぞれの得意を活かす業務に向けることができます。
「標準化」と「個性を活かす」は、対立するものではありません。標準化が、個性を活かす土台をつくるのです。
原則③ 得意を伸ばすには、相手を知ることから
それぞれの得意を伸ばすためには、まずその人の得意・苦手・興味・関心を知る必要があります。
これは想像以上に難しいことです。本人も気づいていない得意があったり、得意だと思っていたことが実はそうでもなかったり。これを知るためには、会話が欠かせません。
直接の会話だけでなく、メールやチャットツールでのやりとりの中にも、相手を知るヒントがあります。仕事の話だけでなく、プライベートの話も含めてキャッチボールを重ねることで、その人の人物像が見えてきます。
「好きなことだから積極的に取り組める」という状態をつくるには、まず相手を知ることが出発点です。
原則④ 相手を知るために、聴く
会話の中で大切なのは、話すことより聴くことです。
これは以前の記事「1on1で絶対にやってはいけないこと」でもお伝えしましたが、上司が話す時間が長いと、相手のことは見えてきません。
聴くことに徹することで、相手の得意・苦手・関心が見えてきます。そしてその情報を、業務の割り振りや育成の方針に活かしていく。この積み重ねが、「人が育つ場」を作ります。
4つの原則のつながり
ここまでお伝えした4つの原則は、それぞれが独立しているのではなく、つながっています。
- 全員に同じことを求めない、という前提に立つ
- そのために、標準化・システム化で土台を整える
- 生まれた余白で、それぞれの得意を伸ばす
- 得意を知るために、聴くことを通じて相手を知る
組織の規模や業種が違っても、この循環は共通して機能します。僕が複数の組織で関わる中で見えてきたのは、この原則がどんな場でも当てはまるということでした。
まとめ:人が育つ場は、特別な仕組みではなく姿勢から生まれる
「人が育つ組織をつくりたい」と思うと、特別な制度や仕組みを探してしまいがちです。しかし、根本にあるのは管理職の姿勢です。
全員に同じことを求めない。標準化で土台を整える。聴くことで相手を知る。それぞれの得意を伸ばす場をつくる。
これらは、業種や組織の規模に関係なく、今日から始められることです。
よくある質問
Q. 標準化を進めると、個性が失われるのではないかと心配です。
標準化の対象は「誰がやっても同じ結果になるべき業務」です。創造性や個性が求められる業務まで標準化する必要はありません。標準化によって生まれた時間とエネルギーを、個性を活かす業務に向けることが目的です。
Q. メンバーの得意・不得意を知るには、どのくらいの時間が必要ですか?
一度の面談でわかるものではありません。日常のやりとりの積み重ねの中で、少しずつ見えてくるものです。焦らず、継続的に関心を持ち続けることが大切です。
Q. このような組織づくりについて、研修などで学べますか?
イクボス研修やアンガーマネジメント研修の中で、組織づくりの考え方や具体的な実践方法をお伝えしています。詳しくは研修・セミナーページをご覧ください。
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研修や組織づくりについては、NPO法人ファザーリング・ジャパンの活動も参考にしています。












