「忙しい」が口癖になっていませんか?
複数の組織を掛け持ちしながら、部下のフォローもして、自分の仕事もこなす——管理職の仕事量は、プレイヤー時代とは比べものになりません。
しかしその中でも、「時間がない」を言い訳にしない管理職がいます。違いはどこにあるのか。答えはシンプルで、タイムマネジメントのシステムを持っているかどうかです。
僕が今のタイムマネジメントスタイルを身につけたのは、1997年に新人として入社したときでした。当時の課長から教わったことを、30年間ほぼそのまま続けています。
習慣① 朝、その日のスケジュールを立てる
出社したら、まずその日にやることを確認・整理します。
「何となく業務を始める」のではなく、「今日は何を、どの順番でやるか」を意識的に決める。たったこれだけで、一日の動き方が変わります。
急な予定が入ることもあります。しかし朝の段階でスケジュールが頭に入っていれば、何かが入ったときに「では何をずらすか」をすぐに判断できます。
習慣② 帰り際に翌日・今週のスケジュールを見直す
帰り際に5〜10分、翌日と今週のスケジュールを見直します。
今日やり切れなかったことはないか、明日の朝一番に確認すべきことはないか、今週中の締め切りは間に合うか——これを確認してから仕事を終えることで、「帰ってから急に思い出す」がなくなります。
また翌朝、スムーズに動き出せるのも、前日の見直しがあるからです。
習慣③ カレンダーでスケジュールとタスクを一元管理する
僕は新人時代からカレンダーでスケジュール管理をしてきました。当時はYahoo!カレンダー、今はGoogleカレンダーです。
手帳を使わない理由は明確です。予定変更が多いからです。紙の手帳は修正が大変ですが、デジタルカレンダーなら移動・変更が一瞬でできます。スマートフォンからも確認・変更できるので、外出先でも常に最新の状態を把握できます。
ポイントは、タスクもカレンダーに落とし込むことです。「いつかやる」ではなく、「この日のこの時間にやる」と決めて入力する。締め切りから逆算して、いつ着手するかをカレンダー上に入れておくことで、タスクが埋もれなくなります。
現在は複数の組織の予定を色分けして管理しています。一目見るだけで、今日・今週の全体像が把握できる状態にしておくことが大切です。
習慣④ 優先順位は「4つの象限」で考える
タスクが多いとき、何から手をつけるかで迷いがちです。僕が使っているのが、第1象限〜第4象限による優先順位の考え方です。
| 緊急 | 緊急でない | |
|---|---|---|
| 重要 | 第1象限:今すぐやる | 第2象限:計画してやる |
| 重要でない | 第3象限:誰かに任せる | 第4象限:やらない・後回し |
管理職が特に意識すべきは第2象限です。「緊急ではないが重要なこと」——部下の育成、組織の改善、中長期の計画——これらは後回しにされがちですが、ここに時間を使える管理職が、長期的に強い組織をつくります。
「空き時間」を意図的に作る
もう一つ、大切にしていることがあります。
NPO法人ファザーリング・ジャパンの川島卓之さんから教わったことです。部下が相談しやすいように、スケジュールに「空き時間」を作り、共有カレンダーに入れておくというものです。
川島さんは「暇」という時間をカレンダーに入れていました。上司が忙しそうにしていると、部下は声をかけにくくなります。しかし「この時間は空いている」と共有されていれば、部下から自然に相談に来るようになります。
この「空き時間の可視化」は、1on1のような改まった場を設けなくても、日常的なコミュニケーションを生む仕組みです。
まとめ:タイムマネジメントは「システム」で解決する
管理職が時間に追われる最大の原因は、システムがないことです。その日その日を感覚で乗り越えていると、いつも「忙しい」「時間がない」になります。
30年間続けてきた4つの習慣をまとめます。
- 朝、その日のスケジュールを立てる
- 帰り際に翌日・今週を見直す
- カレンダーでタスクも一元管理する
- 優先順位を4象限で考える
そして、空き時間を意図的に作って共有する——これが部下とのコミュニケーションを生む仕組みにもなります。
タイムマネジメントは才能ではなく、習慣とシステムです。今日から一つだけ試してみてください。
よくある質問
Q. デジタルカレンダーと紙の手帳、どちらがいいですか?
どちらでも構いませんが、予定変更が多い管理職にはデジタルカレンダーがおすすめです。スマートフォンとの連携で、どこからでも確認・変更できることが最大のメリットです。大切なのはツールではなく、毎日使い続けることです。
Q. タスクが多すぎてカレンダーに入れきれません。どうすればいいですか?
まず4象限で優先順位をつけ、第3・第4象限のタスクを減らすことから始めましょう。管理職になったら、自分でなければできない業務に集中し、任せられるものは任せる断捨離が必要です。
Q. 管理職のタイムマネジメントについて研修で学べますか?
日本アンガーマネジメント協会の研修や、あきたこまちネットの研修・セミナーでは、感情のコントロールと合わせて時間管理の考え方もお伝えしています。
管理職向けのアンガーマネジメント研修・セミナーのご案内はこちらからご確認いただけます。













