「信じて任せる」、最初からできていたわけではない
これまでの記事で、「信じて任せることが一番大事」とお伝えしてきました。しかし正直に言うと、僕自身も最初からできていたわけではありません。
今回は、僕がマネジメントで失敗していた頃の話と、そこからどう変わったかをお伝えします。
起業したての頃、僕は「コマ」としか見ていなかった
起業したての頃、僕には強い「べき」がありました。
「社長は全ての指示を的確に出すべき」「社長は全体を把握しているべき」——こういった思い込みが、僕の中に強くありました。
その結果、スタッフに対しては細かい指示を出し続けていました。今振り返ると、スタッフを一人の人として見るより、**自分の指示を実行する「コマ」**として考えていたように思います。
これは決して悪意があったわけではありません。「経営者として正しくあろう」とする気持ちが、結果として細かい指示につながっていたのです。
「べき」が強いと、信じて任せられない
「社長はこうあるべき」という基準が強いと、何が起きるでしょうか。
すべてを把握していないと不安になります。指示した通りに進んでいないと、「べき」とのズレが気になってしまいます。結果が自分の想定と少しでも違うと、修正させたくなります。
これでは「信じて任せる」ことはできません。自分の「べき」が、相手を信じることの邪魔をしていたのです。
「思考のコントロール」を学んで変わったこと
この状況を変えるきっかけになったのが、アンガーマネジメントで学んだ**「思考のコントロール」**でした。
アンガーマネジメントでは、「べき」を取り扱います。「べき」とは、自分にとっての理想の状態、願望や希望が100%叶っている状態です。
大切なのは、この「べき」を基準にして、自分の中で明確な境界線を持つことです。「ここまでは指示する、ここからは指示しない」「ここまでは伝える、ここからは任せる」——こういった基準を一定にすることが、管理職や経営者として重要だと学びました。
ゴールを共有し、誤差を許容する
「べき」を見直したことで、僕のマネジメントは変わりました。
今は、ゴールを共有した上で、ある程度の誤差は許容範囲だと考えられるようになりました。スタッフが僕の想定と少し違う方法で進めていても、ゴールに向かっているのであれば、それでいい。
これは、以前の記事でお伝えした「ゴールを共有する、過程は任せる」という心得そのものです。しかしこれは、僕が最初から実践できていたことではなく、「べき」と向き合い、境界線を明確にしたことで初めて実践できるようになったことでした。
アンガーマネジメントは怒りだけでなく、思考にも役立つ
アンガーマネジメントというと「怒りをコントロールする方法」というイメージが強いかもしれません。しかし、僕自身の経験から言えるのは、怒りのコントロールだけでなく、自分の思考や考え方そのものにも役立つということです。
「社長はこうあるべき」「管理職はこうあるべき」——こういった「べき」は、誰の中にも存在します。それ自体が悪いわけではありません。問題は、その「べき」に自分自身が縛られ、相手を信じて任せられなくなることです。
自分の「べき」に気づき、境界線を明確にする。この作業が、マネジメントの土台を変えてくれました。
まとめ:失敗は、変わるきっかけになる
起業したての頃、僕はスタッフを「コマ」として見ていました。これは紛れもない失敗です。
しかし、その失敗に気づき、アンガーマネジメントの思考のコントロールを学んだことで、「信じて任せる」マネジメントへと変わることができました。
今、同じような悩みを抱えている管理職の方がいたら伝えたいのは、失敗は終わりではなく、変わるきっかけになるということです。自分の「べき」に気づくことから、すべては始まります。
よくある質問
Q. 「べき」が強いことは悪いことなのでしょうか?
「べき」自体は悪いものではありません。理想を持つことは大切です。問題は、その「べき」が自分や他人を縛ってしまうことです。「べき」を持ちながらも、現実とのギャップを許容できる範囲を持つことが大切です。
Q. 自分の「べき」に気づくには、どうすればいいですか?
イライラしたとき、不安になったときに「自分は何を期待していたのか」を振り返ってみることがきっかけになります。日々の感情の動きを記録することも、自分の「べき」を知る手がかりになります。
Q. 思考のコントロールについて詳しく学ぶにはどうすればいいですか?
アンガーマネジメント研修では、怒りのコントロールだけでなく、思考のコントロールについても具体的にお伝えしています。詳しくは日本アンガーマネジメント協会や、研修・セミナーページをご覧ください。
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